新車試乗レポート
更新日:2022.10.19 / 掲載日:2022.08.30

ルノー 新型SUV アルカナ試乗!独自の走行システム「イーテックハイブリッド」の実力は?

クーペライクなフォルムの都会派クロスオーバーSUVが新登場。注目は「E-TECH HYBRID(イーテックハイブリッド)」と呼ぶ独自の走行システムだ。その実力は驚嘆に値するものだった。

●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久

国産プレミアムSUVに
強力なライバルが登場だ
 ハイブリッド車は燃費という身近な数値で効率が一目瞭然。もちろん効率はパワートレーンのハイテク度の指針である。ルノーから新規モデルとして導入されたSUVクーペのアルカナは燃費面からも注目すべき一車だ。WLTC総合燃費は22・8㎞/ℓ。これは2WDのRAV4ハイブリッドを1.4㎞/ℓ上回っている。4WD車をラインナップしないのが難点だが、同車格のSUVとしては省燃費をリードするモデルだ。
 走りもなかなか興味深い。発進は必ず電動。一般的なクラッチやトルコンを採用せず、エンジンからの入力の断続はミッション内のドグクラッチで行う。電動で走り出して変速比が守備レンジに入ったところで1速にシフト。しかもエンジン始動や変速は極めて滑らか。制御精度の高さが凄い。
 エンジン出力側の変速機は4速。電動側も2段変速するが並列なので、基本は4速である。ふつうのATなら変速段差が大きく、ドライブフィールを著しく落としそうだが、そうならないのがアルカナだ。発進から高速まで効率的に電動補助が介入。加速アップシフト時の加速度の変化が少なく、固定ギヤでの伸びやかな加速と余力感はNA1.6ℓとは思えないほど。
 神経質な反応を抑えながら従順なラインコントロール性を示すハンドリングや腰の据わった乗り心地は、良質かつ信頼感が高い。長距離レジャーにもストレスが少ないフットワークである。R.S.ラインの価格は約430万円。国産プレミアムSUVとコスパ面でも渡り合えるモデルである。

RENAULT ARKANA

ルノー・アルカナ[ニューモデル]

●発売日:’22年5月26日
●価格:429万円
●輸入元:ルノー・ジャポン(株)
●問い合わせ先:0120-676-365(ルノーコール)

主要諸元(アルカナ R.S.ライン イーテックハイブリッド)
●全長×全幅×全高(㎜):4570×1820×1580●最低地上高(㎜):200●ホイールベース(㎜):2720●最小回転半径(m):5.5●車両重量(㎏):1470●パワートレーン:1597㏄直列4気筒DOHC(94PS/15.1㎏・m)+モーター(49PS/20.9㎏・m&20PS/5.1㎏・m)●トランスミッション:マルチモードAT(エンジン4速/モーター2速)●WLTCモード燃費(㎞/ℓ):22.8●燃料タンク(ℓ):50(プレミアム)●タイヤサイズ:215/18●車両本体価格:429万円

’22年1月の東京オートサロンで注目を集めた新作SUV。流麗なクーペフォルムながら最低地上高は200㎜を確保する。日産・ノートと同じCMF-Bプラットフォームに独自の2モーター式ハイブリッドシステムを搭載し、駆動はFFのみ。R.S.(ルノー・スポール)のデザインを採用する1グレードを設定する。
インテリアもエクステリアと同様にR.S.の血統を受け継ぐスポーティなイメージでまとめられる。メーターは10.2インチフルデジタル、インパネ中央に7インチのタッチスクリーンを備える。
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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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